はい、クルマを売る場合には、個人売買がもっともクルマを高く売れる可能性が高いです。ほとんどの個人売買はネットオークションを通じて行われています。

ディーラーや買取業者に買い取りを依頼するといった、一般的な自動車取引市場では、売主が自動車を下取りされてから、買主が購入するまでに多くの流通マージンが発生します。個人売買は、業者を介さずに個人の売主と買主が直接取引をすることですから、売主は流通マージンを節約できる分、売却価格を高くしても、買主にとっては魅力的な値段で販売できるのです。

もう少しくわしく説明しますと、ディーラーにしても、買取専門業者にしても、クルマのプロの業者は店舗を構え、従業員を雇用しています。また、テレビをはじめとして広告をあらゆるメディアに出しています。当然、それらには家賃や人件費、広告費がかかっています。
一方、彼らの利益のもとは、買い取ったクルマを再度販売することです。販売価格と買取価格の差額が彼らの利益になっています。家賃や人件費をまかなうための利益を稼ぐためには、買い取ったクルマを高く売るか、あるいは、買い取り価格を下げるかいずれかしかありません。
再販売する場合のクルマの価格は、中古車市場の実勢で決まってきますので、高く売ることは簡単ではありません。多くの場合、業者は買い取り価格を下げることで利益（マージン）を確保しています。これが業者による買取価格が低い理由です。
そして、１台のクルマが、ある人から別の人にわたるまでのあいだには、複数の業者がかかわってきますので各業者のマージンがクルマの販売価格に上乗せされていきます。これが流通マージンです。

それに対して、個人売買は、業者を通さずに直接取引しますので、業者を通して買う場合に価格に乗っている流通マージンがありません。
個人売買の場所として使われるネットオークションの利用料は非常に安いので、クルマの売値に上乗せしたとしてもたかがしれています。

そういうわけで、個人の売主は、クルマをネットオークションに出品するときに、買取業者に買い取ってもらうときの価格よりも高い値段をつけたとしても、その価格は、買取業者がまったく同じクルマを売るときにつける価格よりも低くでき、クルマを安く買いたいというお客さんを見つけることができるのです。

価格の面では、ディーラーや買取専門業者よりも有利なことが多い個人売買ですが、その代わり、名義変更のような面倒な手続きは自分でやらなければなりませんし、個人売買特有のリスクもたくさんあります。そういったことを考慮に入れて個人売買を行いましょう。