いいえ、次のクルマが乗ってきたクルマと同じ車種だからといって、下取り価格が高くなることは必ずしもありません。
一般的に、自動車ディーラーは、系列メーカーのクルマの下取りは他社メーカーのクルマを下取りするときよりも優遇する傾向があります。そうすることで、お客さんに他のメーカーに乗り換えられることを防いでいるのです。
どういうことかというと、「自動車メーカーAのクルマを乗ってきたが、下取りのときに系列ディーラーにさえ低い査定額をつけられた。こんなリセールバリューの低いクルマはもう乗りたくない」とお客さんに思われないようにするということです。
そういうわけですので、同じ系列メーカーのクルマであるからという理由で、下取りの査定金額が高くなるということはあります。とはいえ、同じ車種だからということはありません。
ただし、次のようなケースはよくあるので、同一車種の買い替えは高くなると世間的に認識されているのかもしれません。
そのケースとは、2年前の購入時に人気で、現在も人気を保っている車種を買い、今回車検を迎えるのでディーラーに下取りしてもらい、人気があるから同じ車種の新車を買い、もう一度乗るというようなケースです。
この場合は、下取り価格が高くなる可能性が高いです。
しかしそれは同じ車種だから下取り価格が高いということではなく、その車種が人気だからです。また年数もそれほど多く経過していないということも原因でしょう。
あるいは、自動車メーカーの営業戦略で、その車種についてのリセールバリューを高く保ちたいという意向があり、ディーラーに下取り用の特別予算がついているのかもしれません。
逆に言うと、同じ車種に買い換えたとしても、そのクルマは、人気がそれほどないクルマだったり、自動車メーカーの営業戦略上それほど重視されていないクルマだったりする場合には、下取り価格に高い値段はつきません。
ディーラーは下取りしたクルマを、同じ系列メーカーの中古車ディーラーや中古車販売場、あるいは自動車業界関係者向けのオートオークションで再度販売します。本来、クルマの下取り価格はそこでの人気度や価格を反映しているもので、同じ車種に買い換えるからといって下取り価格が高くなるという原因にはなりません。