いいえ、必ずしもそうではありません。
新車に買い換えるときに、乗っているクルマをディーラーの下取りに出す場合ですが、同じ自動車メーカーでも、ディーラーが違えば、下取り価格も違う場合があります。
その理由は、ひとくちに同じメーカーのディーラーといっても、いろいろなお店がありますし、お店によっても事情が違います。お店によって営業戦略が違うため、それが同じクルマでも下取り価格が違ってくる原因となるのです。
それでは、下取り価格の違いを生み出すディーラーの事情について少し説明いたしましょう。
1つめは、同じメーカーのディーラーといっても、販売チャンネルが異なる場合です。
トヨタであれば、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店と4種類の販売チャンネルがありますし、日産自動車であればレッドステージ店とブルーステージ店と2種類の販売チャンネルがあります。
販売チャンネルが違えば、それぞれで営業上の戦略も違ってきますので、下取り価格が違う原因になります。
次に自動車ディーラーの経営母体が違う場合です。
同じ都道府県にあるディーラーでも、お店を経営する母体が違う場合ということがあります。あるディーラーはメーカーが直接経営している直営店ですが、すぐ近くにある別のお店は、地元の不動産会社がサイドビジネス的に経営しているお店だったりするということもあります。この場合も、営業戦略がそれぞれの会社で違ってきます。
ディーラーの経営母体が大きい会社ですと、資金的に余裕がある場合が多く、その分下取り価格を高くしてくれる。といったことがあります。
また、都道府県が違えば、経営母体が違うことが多いので、これも下取り価格の違いの原因となります。
最後にお店ごとの営業上の事情です。
同じ都道府県にある同じ経営母体の同じ販売チャンネルのお店にもかかわらず、お店の下取り価格が違うことはありえます。
特に、決算の前などです。
仕事で営業を経験された方なら、よくおわかりだと思いますが、自動車ディーラーにはお店ごとに販売目標があります。お店によっては、クルマがあまり売れておらず、決算の前に何とか販売目標をクリアしたい。というお店もあるでしょう。こういうときは、下取り価格を上げてもらえる可能性があります。
このように同じメーカーでも、ディーラーはいろいろと違うところがあります。今乗っているクルマを下取りをしてもらって新車に買い換えるというときは、このような違いを意識して、違うチャンネルのお店に行ってみたり、隣の県のディーラーに行ってみたりして、上手に下取り価格について交渉してみてください。