はい、保険の種類によっては自動車保険の保険料は戻ってきません。
自動車保険には、法律で強制的に加入しなければならない自動車賠償責任保険(自賠責保険または強制保険)と民間の損害保険会社が販売している任意保険があります。
最初に、自賠責保険について説明します。
よく言われるように自賠責保険は「クルマにつく保険」ですので、保険の対象となる車を廃車にしない限り、保険料は返還されません。車を契約期間途中で売却した場合には保険料は返還されないのです。
とはいえ、自賠責保険の契約期間が残っているということは、車検期間が残っているということですので、売却する車にその分価値がのっており、車の買取り価格への上乗せが期待できます。
廃車をし、かつ保険の有効期間が1ヶ月以上残っている場合には、自賠責保険の保険料は戻ってきます。
次に、民間の損害保険会社が提供している自動車保険(任意保険)について説明します。
任意保険については、解約したときには保険の残存期間に応じて保険料が返還されます。保険会社や保険商品にもよりますが、一般的には月単位で計算されます。
ただし、単純に保険期間の残りの月数がそのまま返還される保険料の計算に反映されるということではありません。
例えば、1年契約で保険料を保険加入時に2万円一括で支払い、半年で解約したからといって半額の1万円が返金されるということではないのです。
解約時には短期率と呼ばれるレートが適用され、保険加入者に不利なレートが適用されます。
途中解約をしたことによるペナルティを契約者が支払うということになるのですね。
最後に自動車保険加入に関するちょっとしたノウハウについて述べます。
車を乗り換えても、自賠責保険と任意保険は両方加入する。(保険は自賠責保険だけにしない)という場合には、加入していた任意保険を解約して、また新しく保険に加入するよりも保険契約内容の変更で対応したほうがお得になる場合がほとんどです。
自動車保険には等級制度というものがあり、保険加入者の等級によって保険料が高くなったり安くなったりします。新規に任意保険に加入すると6等級から始まります。
保険加入者の等級は保険期間中の事故歴によって決まります。保険期間中に事故がなければ、翌年の等級は1つあがり、その分保険料は安くなりますが、事故を起こしてしまったら等級が下がって翌年の保険料は高くなってしまうのです。
無事故で運転してきて、等級も高く保険料も安かったのに、その保険を解約して新規に保険に加入してしまうと、また6等級から始まり割高な保険料を支払うということになります。
そういうことをしないためにも、車を売るときには民間保険会社に「車両入れ替えでお願いします。」といって契約内容の変更をお願いしてみましょう。